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【行政書士のお役立ちブログ】

12月 2013

「リーガルハイ」の最終回の一コマ

フジテレビの「リーガルハイ」というドラマが昨日最終回を迎えました。水曜10時はいつも別のチャンネルの番組を見ていたのですが、その番組は先週終わっていたので、リーガルハイの最終回を見ることに。
 
話の中で、ある女性の実の子である(と思われる)女の子が別の家庭で暮らしていて、その戸籍を見ても、やはり親は現在一緒に暮らしている父親や亡くなった母親である、という一コマがありました。でもホクロの場所などの身体的特徴を見ると、絶対に自分が産んだ子だ、とその女性は確信するのです。
 
可能性として頭をよぎったのは「特別養子」の制度です。普通の養子縁組に比べるとかなり厳格な要件のもとに家庭裁判所が許可を出す取り決めです。特別養子となった子は、実親との戸籍上(法律上)の親子関係が絶たれ、戸籍上も一見養親と実の親子のように見えます。
 
しかし、本当にわからなくするのもまずいですよね。それで、子の身分事項欄には「民法817条の2」という記載がなされ、家庭裁判所からの特別養子の許可があったことがわかるようになっているのです。
 
この部分の意味を知らなければ、特別養子であることは戸籍上わかりにくいものです。わかりにくくしているのでしょう。知らないままの方が幸せなこともあるということでしょうか。

「その他の財産」相続させる遺言

遺言に記しておくべき相続財産の代表的なものは、土地・建物、預貯金が代表的です。不動産はそれなりの額の財産ですし、名義変更の手続きを円滑にする意味でも遺言に書いておかなければ、と思うものです。また預貯金の流動資産も相続人にとっては使い易い財産であり、分け易い財産すから自ずと関心事となるものです。
 
ほとんど資産価値のない土地や、あまり残高の多くない預貯金口座はどうするべきでしょうか?「どうせほとんど価値がないんだから、遺言には書かなくてもいいかな」と考えるかもしれませんが、ぜひ遺言に含めましょう。
 
というのも、資産価値は無くても不動産の場合固定資産税や都市計画税を誰かが払わなければなりませんし、相続の問題は避けられません。預貯金にしても、口座の解約等の手続きは必要となりますから、遺言(特に公正証書遺言)があればスムーズです。わずかの残高しかない口座のために相続人全員が遺産分割協議書や金融機関所定の払い戻し請求書に署名押印しなければならなくなるのはかわいそうです。
 
それで、主だった財産以外の細かな財産も「その他一切の財産は○○に相続させる」と書き添えれば丸くおさまるはずです。

生命保険金と相続

相続が発生し、被相続人(亡くなった人)に莫大な借金があったことが判明するとします。プラスの遺産を超える額の借金であるなら、たいてい「相続放棄」をしたいと思うことでしょう。相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。手数料はたったの800円。相続のあったことを知ったときから3か月以内に提出しなければなりません。さもなくば、相続財産全て(プラスの遺産も借金も)を一括で「単純承認」したものと見なされます。
 
でも、被相続人が生命保険に入っていて、その保険金額が借金をはるかにしのぐ額だったらどうでしょうか。
 
「借金が理由で相続放棄したいけど、放棄したらこの保険金も貰えないのでは?だったら放棄せずに、保険金で借金を返済して残ったお金を手に入れたい!」
 
と考えるかもしれません。
 
いいえ。相続放棄をしても、保険金の受取人となっている相続人は、相続人固有の財産である保険金を全て得ることができます。受取人にとって、保険金は相続財産ではないのです。相続財産でなければ、遺産分割協議の目的にもならず、他の相続人(受取人でない)と分ける必要がありません。

英文契約書:「完全なる合意」条項

英文契約書の一般条項の一つに、「完全なる合意」(Entire Agreement) というものがよくあります。
 
これは、当該契約書に規定された合意のみが拘束力を持つ、ということを規定するものです。つまり、その契約で扱っている対象に関する他の契約書・合意書・念書・覚書・口頭の合意・以前の話し合いで取り決めたこと全てに優先して、当該契約書が適用されるということです。「契約書には含まれていなくても、あなたは前に約束したじゃないか」 という異議が入り込む余地をなくすのです。
 
一方、一般的な日本語の契約書には、「本契約で定めていない事柄が生じた場合、甲及び乙は誠心誠意話し合って解決するものとする」 というような文言がよくあります。もしそうできるのならそれは素晴らしいことです。本当にそれができるのなら、法律で契約書の作成・交付が義務づけられている種類の取引でない限り、そもそも契約書はいらないかもしれません。できることならそうしよう、という心は日本人の美徳だと思います。
 
美徳はえてして特定の文化圏限定で通用するものです。そして、海外取引においてはその美徳が命取りになることも。英文契約書では、「話し合う」という規定の代わりに、「通知」する規定が多いように思います。何日以内に書面で通知しなければならない、といったものです。裏を返すと、通知義務さえ果たせば話し合わなくても希望が通るということになります。

特別受益の持ち戻し免除が有効か

被相続人が生前、相続人の誰かに財産を贈与していた場合、この相続人が 「特別受益」 を得ていたとされることがあります。(民法903条)
 
903条によれば、財産の相続分の算定においてこの特別受益の分を考慮することとされています。いわゆる「特別受益の持ち戻し」というものです。
 
例えば、生前に1000万円の贈与が特別受益にあたる場合、相続財産にその1000万円を戻して各自の相続分を計算し、その後受益相続人の相続分から1000万円を引くのです。これは以前のブログ「生前の資金援助と遺産分割」で触れたことがあります。
 
しかし、遺言でこの特別受益の持ち戻しを免除することもできます。903条3項に、
 
被相続人が前2項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、
  遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。
 
とあるからです。ちなみに、この3項の中の「前2項の規定」とは、特別受益の額が相続分の額と同じかそれ以上なら相続分はもうありませんよ、という規定です。
 
特別受益を得ていながら相続分も免除されるなんて、他の相続人から見るとかなり不公平な感じもします。しかし、家庭の事情もそれぞれで、何をもって平等とするかは単純な問題ではありません。依頼を受ける専門家も、「表面的な平等」をやみくもに振りかざすのではなく、依頼者のお話をじっくりお聞きし、背景をよく知る必要があると思います。

外国人による遺言

日本に滞在する外国人はどのように遺言を作成することができるのでしょうか。
 
「遺言の方式の準拠法に関する法律」 の第2条に、
 
「遺言は、その方式が次に掲げる法のいずれかに適合するときは、方式に関し有効とする
 
一 行為地法
二 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時国籍を有した国の法
三 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時住所を有した国の法
四 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時常居所を有した地の法
五 不動産に関する遺言について、その不動産の所在地法」
 
とあります。つまり、日本に滞在している外国人は、遺言をする場所としての日本の法律が認めた方式(一号:行為地法)か、自国の法律(二号:国籍を有した国の法)で遺言書を作成することができます。
 
日本に滞在する外国人が日本の方式で遺言を作るための法的根拠は前述の行為地法の要件が全てをカバーするので、住所(三号)や常居所(四号)は問題にならないかと思います。ただ、公正証書遺言を残したい場合、短期滞在やビザなしで3か月以内の滞在となっている方は住民登録されませんので、やはり一号の行為地法の問題となります。印鑑登録もできませんので、通常は印鑑証明書を提出するところですが、パスポート等の文書を提示したうえで拇印や指印で押印すれば足りるようです。 それ以外の在留期間の外国人は住民登録され、印鑑登録もできますので印鑑証明書を提出することになるでしょう。

公正証書遺言作成時の証人

遺言を公正証書で作成する場合、証人2人の立ち合いが必要です。(民法969条1号)では、誰が証人となることができるのでしょうか?
 
民法974条に「証人及び立会人の欠格事由」が定められています。
 
「次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人」
 
ですから、成人で、相続に関係ない人で、遺贈によって贈与されない人で、公証役場で働く人の親族でなければ誰でも証人になれます。
 
証人は何のために立ち会うのでしょうか?
 
民法969条4号には、
 
「遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押す」
 
とあります。遺言者本人が自己の意思に基づいて遺言していること、また公証人による筆記が正確であることを確認して、署名押印するのが証人の任務です。
 
信頼できる友人に証人を頼むこともできるかもしれませんが、財産の内容を知られるのには抵抗があるものです。それで、公証役場に予め証人を手配してもらう(有料)か、行政書士等の専門家に報酬を払って依頼することもできるでしょう。公正証書遺言の作成・手続きをすでに依頼しているなら、大抵の場合はその行政書士等が証人の1人になってくれるはずです。