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11月 2013

自筆証書遺言の日付

公正証書遺言よりも自筆証書遺言のほうが手軽で費用もかからないことから、「自筆証書遺言での作成を考えている」 というお問い合わせが多いと感じます。もちろん、自筆証書遺言も民法で規定されたれっきとした遺言ですから、きちんと書けば(遺言書の効力としては)何の問題もありません。(遺留分の問題、内容によって親族関係がぎくしゃくしないかどうかは別問題です。)
 
自筆証書遺言をきちんと書くための要素の一つに日付があります。日付は、客観的に特定できる、暦上の具体的な日を記載する必要がありますので、平成○○年○月○日 という書き方でも、2013年○月○日 という書き方でも良いということになります。
 
また、客観的・具体的に特定できれば良いので、「75歳の誕生日」 とか 「平成○○年12月末日」 という記載でも良いとされています。「40年目の結婚記念日」 という方法も有効となり得ます。
 
いずれにしても、日を特定できなければなりませんから、シンプルに「平成25年~」 や 「西暦2013年~」 で記載するのが安全でしょう。
 
ちなみに、自筆証書遺言は前文「自書」しなければなりませんから、日付印などで日付を押すだけにとどまると、遺言は有効性を欠くことになりますから注意しましょう。

「泣く子も黙る」 公正証書遺言

自筆証書遺言を作る場合、費用はほとんどかかりません。紙とペン、それから封筒を用意すればよいのです。もちろん、行政書士等の専門家に内容の起案を依頼すればその報酬は支払わなければなりませんが、自筆証書遺言は基本的に費用ゼロで(または比較的安価で)作成できるのです。そこが最大のメリットでしょう。
 
対して、公正証書遺言にはそれなりに費用が掛かります。まず、公証役場へ支払う公証人手数料があります。それから、証人を行政書士等に頼めば2人で2万円前後(遺言作成を依頼している行政書士に頼む場合は、証人としての報酬がすでに含まれている場合が多い)。もちろん遺言内容の起案や必要書類の収集、公証人との事前打ち合わせを行政書士等に依頼すればその報酬(報酬額は事務所によってまちまち)も支払います。戸籍、固定資産税評価証明書、不動産登記簿の写しを取得するための手数料も必要です。
 
特に、公証人への手数料の算定が気になるところです。これは、遺言に含める財産の価額の大小、また相続させる人の数によって変わりますから、当HPの「遺言書の基礎知識」をご覧ください。
 
このように、公正証書遺言にはそれなりの費用が必要となります。「遺言は書きたいけれど、公正証書はお金がかかるから自筆がいい」とおっしゃる方も実際多いと言えます。もちろん自筆証書遺言もきちんと書けば問題はないでしょう。しかし、相続発生後の手続きのスムーズさを公正証書遺言と比べると、天と地との差があります。遺言の内容に納得がいかない相続人も、遺言が公正証書なら「ゴネる」余地は皆無となるのです。まさに「泣く子も黙る」公正証書遺言というわけです。

相続人が外国に住んでいる場合

遺言がなければ、相続財産は相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成して分けることになります。この遺産分割協議書には、(たいていの場合手続きで使いますから)実印を押印します。市町村に印鑑登録してあるハンコです。
 
しかし、相続人の誰かが海外に住んでいて日本の印鑑証明を出せない、すなわち実印としての機能を果たすハンコが存在しない場合はどうするのでしょうか。
 
海外に住んでいる相続人が日本国籍を持つ日本人であるならば、当該国の日本大使館・領事館でサイン証明をしてもらいます。方式として以下のものがあります。
 
 
貼付方式=遺産分割協議書を大使館に持参し、職員の面前で署名捺印し、その遺産分割協
議書に証明書を貼付してもらう方式。
 
単独方式=別個の書面に署名捺印し、その筆跡が確かに本人のものであることを証明しても
らう方式。
 
 
相続人が日本人でない場合、当該国の日本大使館・領事館は関わりがありません。ですから、たいていの場合は遺産分割協議書(その国の言語に訳したものか、日本語と当該外国語を並記したもの)をその国の最寄公証役場で公証してもらい、その後裁判所で、また最終的には当該国の外務省で認証してもらう必要があります。日本で「信憑性のある文書」として扱うためです。

金融機関での手続きについて

家族や親族が亡くなり相続が開始すると、遺族(たいていの場合は同居してた家族)は多種多様の手続きに追われることになります。家族が亡くなって気持ちの整理もままならぬ状態で手続きを効率よく、正確に行ってゆくのは本当に大変です。気づかないうちに精神的に疲れるもののようです。
 
相続手続きの代表的なものとして、預貯金の解約・名義変更があります。不動産の名義変更などの他の手続き同様、被相続人(亡くなった方)の生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍が必要になります。まずは戸籍をそろえることが相続手続きの基本とも言えます。
 
昔の戸籍などは特に読みづらい字体で、しかも手書きで記されているので、最終の戸籍から最初の戸籍までを「さかのぼる」のも一苦労かもしれません。書類収集の専門家でもある行政書士に依頼すれば最短で取得してくれるでしょうし、役場の人に相談することもできます。解約・名義変更したい口座のある金融機関の行員にとりあえず揃っている分だけ見せて、どの自治体に残りの戸籍を請求すればよいか尋ねるのも一つの手です。
 
遺言があればその内容に沿って解約・名義変更をしますし、なければ相続人全員で「遺産分割協議」をして「遺産分割協議書」を作成し、金融機関に提出します。ただ、金融機関によって必要な書類が違いますから、必ず問い合わせましょう。多くの場合、銀行所定の払い戻し請求書等に全員の署名押印が要求されます。