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7月 2013

英文契約書の読み解き方:長文

英文契約書を読み解く際にハードルとして思い描くのが法律の専門用語かもしれません。確かに、英米法に由来する用語やラテン語にも戸惑いを感じるかもしれません。
 
とは言っても、それらの用語も憶えてしまえばそれほど問題ではありません。そのつど専門書や辞書を引いてもよいですし、インターネットで検索することもできるでかもしれません。
 
問題になるのは、「一文が長い表現の読み解き」 だと感じています。契約書によって文章の複雑度(または簡明度)はまちまちですが、ものによっては一文がA4用紙1ページまたはそれ以上になる文が含まれることもあります。つまり、大文字で始まる文頭から、その文を締めくくるピリオドまでがそれほどの長さになるのですから、主語・動詞の関係、主節・従属節・さらに下部の節の関係、修飾・被修飾関係を解読するのに骨が折れるのです。
 
基本的に英語と日本語では「文章」の構造のみならず、「文」の構造も違います。それで、翻訳の際には 「異常なまでに長い一文を意味の上で区切るポイントになる語やpunctuation (カンマやコロン)」 を見つけて解読し、日本語として簡明な訳に仕上げることが大切だと思っています。

包括遺贈より特定遺贈

遺言で、特に第三者に財産を譲るために 「遺贈する」 という表現を用いることがあります。
これは、法定相続人に対して用いる 「相続させる」 という表現と効果が異なってきますから、相続人に対して用いる場合は特定の効果を狙う場合のみとなります。
 
さて、この「遺贈」には、「包括遺贈」 と 「特定遺贈」 があります。
 
「包括遺贈」 とは、遺産の全部または一定の割合を遺贈することで、「○○に財産の4分の1を遺贈する」 という文言で表現されるでしょう。しかし、包括遺贈には注意点があります。
 
遺贈者は相続人と同一の権利義務を負うことになるので、もし遺言者に負債があり、上記の「4分1」の包括遺贈の例をとれば、その負債の4分の1も負わなければなりません。借金がなくても、受け取ることのできる財産の割合が決まっているに過ぎず、どの財産をどれくらい受け取るのかは、他の法定相続人または受贈者と遺産分割協議で話し合わなければなりません。法定相続人にしてみれば、「第三者である受贈者と話し合うのは癪だ!」という気持ちもあるでしょうし、受贈者にとっても精神的負担になるでしょう。
 
それで、どの財産をどれだけ遺贈するかをはっきり決める 「特定遺贈」 の方が、問題は生じにくいと言えます。もちろん、法定相続人の最低限の取り分である 「遺留分」 を侵害しないように注意する必要はあります。

お墓などの権利の承継

お墓も相続財産に含まれるのでしょうか。いいえ、含まれません。民法第897条には、
 
「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定に関わらず、習慣に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。」
 
とあります。つまり、民法896条(相続の一般的効力)を適用しないということなので、相続が発生した時から分割するまでの間の相続人全員による共有という状態もなければ、遺産分割の対象にもならないということです。
 
上記の897条からすると、家系図、仏壇・神棚、お墓といったものが祭祀財産にあたるようです。大抵の場合は「習慣」に従って長男が引き継ぐというようなことになるようです。もちろん、同条但し書きにあるように、遺言によって指定することもできますから、別に次男でも長女でも良いのです。
 
ちなみに、897条2項で「前項本文の場合において習慣が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。」ということになっています。
 
 

遺言の撤回について

一度遺言を書いた後でも、その内容を撤回することができるでしょうか?民法1022条には「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる」と規定されていますから、遺言は撤回できるのです。
 
前述の条文にもあるように、遺言を撤回できるのは「遺言者」です。その代理人等が遺言の撤回をすることはできません。
 
また、「遺言の方式に従って・・・撤回することができる」ので、単なるメモ書き、内容証明郵便、音声・映像記録などで撤回することはできません。公正証書で作成した遺言であっても、自筆証書遺言で撤回することはできます。自筆証書遺言もれっきとした「遺言の方式」だからです。もちろん、この場合にも自筆証書遺言の作成はそれが無効とならないよう、細心の注意が必要となります。
 
後の遺言の中に「以前(平成○○年○月○日作成)の遺言は撤回する」という文言をいれておけば一番わかりやすい撤回ですが、そうでなくても、以前の遺言を明らかに否定するような内容となっていれば撤回されることになります。
 
法定の撤回事由(民法1023条、1024条)の他に、内容の抵触する遺言を残すことでも以前の遺言を撤回できます。以前の遺言の内容の一部と、新しい遺言の内容の一部のみが抵触する場合は、その抵触する部分のみ撤回されることになり、そうでない部分は有効ということになります。

相続手続きのタイムライン

相続に関する時間的制限にはどのようなものがあるでしょうか?
 
相続開始
7日以内に死亡届を提出
10以内に厚生年金の停止、14日以内に国民年金の停止
3ヶ月以内に限定承認・相続放棄(必要な場合)
4ヶ月以内に被相続人の所得税の準確定申告(必要な場合)
10ヶ月以内に相続税の申告・納付(必要な場合)
2年以内に葬儀費用の受領
5年以内に寡婦年金・遺族基礎年金・死亡一時金の請求
 
このように、諸手続きには期限が設けられています。特に、3ヶ月以内に行わなければならない限定承認・相続放棄の要、不要の判断は相続人の人生も左右しかねません。相続財産をよく調べないで3ヶ月が経過し、無いと思い込んでいた莫大な借金の存在がわかった場合、その債務も相続しなければならなくなります。速やか且つ正確な財産調査が必要です。
 
また、相続税が発生する場合、10ヶ月の相続税申告に間に合うよう遺産分割協議を行っておくべきでしょう。もし間に合わない場合でも一定の条件の下に延長を申請することもできますが、そうでないなら延滞税が課されることになります。
 
なお、相続を原因とする不動産の所有権移転登記には時間制限はありませんが、放っておくと相続人の一人かそれ以上が亡くなって、その子供達をも巻き込むことになり、時間が経てば経つほど厄介な手続きになります。