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【行政書士のお役立ちブログ】

6月 2013

遺言書の保管について

遺言書の保管が重要な問題となるのは、自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合でしょう。というのは、公正証書遺言は原本が公証役場で保管され、紛失の恐れがないからです。公正証書遺言の正本と謄本は遺言者に交付されますが、相続手続きに必要となる正本を紛失したとしても公証役場で再交付してもらえるのです。
 
では、自筆証書遺言はどのように保管すべきでしょうか?公的な手続きを踏まずに作成することのできるものですから、あまりにも無造作に保管しておくと相続人の一人に発見され開封・改ざんされる恐れもあります。だからと言って、誰も見つけることのできない所に保管しても、結局見つけてもらえず、遺言の内容を実現してもらえません。
 
それで、遺言で遺言執行者を指定している場合はその人物に保管してもらうこともできます。ただ、遺言執行者が相続人の一人である場合、その人物による改ざんや隠匿、その他の相続人に疑念を抱かせる恐れもあります。弁護士や行政書士といった第三者の専門家に保管を依頼して中立性を保ったとしても、遺言者が死亡した場合にその事実をすぐに知ることはできないかもしれません。第三者に預ける場合は、その第三者に定期的に連絡を入れてもらい、生存を確認してもらうなど何らかの工夫が必要になるでしょう。

戸籍の郵送請求

相続が発生すると、まずしなければならないことに「相続人の確定」があります。遺産分割協議をしなければならない場合、分割協議に参加する資格のある者全員の署名・押印をもって分割協議書を作成するからです。
 
相続人を確定するためには、亡くなった方の出生から死亡までの全ての戸籍類を収集する必要があります。「親父の子どもは当然俺達だけだよ」 と思っていても、ひょっとしたら過去に別の女性との子どもを認知しているかもしれません。このような隠された事実も、戸籍を調べると判明します。
 
戸籍は市区町村の役場窓口で請求するものですが、「本籍地」の役場が出してくれます。本籍地は住所地とは違って、日本全国どこにでも成り得ます。東京に住んでいながら、本籍は札幌ということもあり得るのです。では、戸籍類を札幌まで取りに行かなければならないのでしょうか?
 
戸籍は郵送でも請求することができます。自治体によって異なりますが、戸籍等交付請求書(市区町村のHPでダウンロードする)、身分証明書のコピー、定額小為替、切手を貼った返信用封筒、相続が発生したのでその役場で出せる全ての戸籍が欲しい旨のメモ等を同封して送ります。

相続放棄について

相続が開始(被相続人が死亡)すると、相続人は財産を相続するかしないか決めることができます。相続財産には負債も含まれますから、もしもプラスの財産よりも負債の方が多いなら相続を放棄したいと思うことでしょう。
 
相続放棄の手続きは、相続が発生したことを知ったときから3ヶ月以内です。亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「相続放棄の申述」を提出します。「相続放棄の申述書」は、裁判所のホームページでダウンロードしたり、家庭裁判所で直接もらうことができます。
 
相続放棄すると、プラスの財産もマイナスの財産も相続しないということに確定します。借金の返済を被らなくてもよくなり、マイナス財産が多い場合は一安心です。しかし、相続放棄をした後に、実は莫大なプラスの財産があったということが判明しても、悲しいかな、これを相続することはもはやできません。
 
相続を承認するにしても、放棄するにしても、綿密な財産調査は不可欠ですので行政書士等の専門家にご相談下さい。

戸籍の訂正について

戸籍は、人の法的存在や身分を証明してくれる大切な文書ですから、内容に誤りがあってはなりません。それでも、役所のミスや、届出人のミス、あるいは第三者による虚偽の届出などで事実とは異なる場合も生じ得ます。
 
戸籍に誤りがあることがわかり、これを訂正して欲しいと思う場合、どうすればよいのでしょうか?
 
役場で誤りを指摘して、もしそれが役場側のミスだった場合、市区町村長は法務局に訂正の許可を求め、その許可もとに戸籍の内容を正します。誤りがごく軽微なものの場合は市区町村長の職権で訂正できるそうです。
 
これに対し、誤りの原因が役場側ではなく届出人または第三者によるものである場合、本人や親族など法律で定めた者が家庭裁判所に戸籍訂正の審判を求めます。無事戸籍訂正許可が下りたなら、許可が下りてから1ヶ月以内に審判書と届出書を役場に提出して、戸籍を訂正してもらいます。
 
姓名を変更する場合や嫡出否認をした場合も同様の方法で戸籍を訂正することになります。
 
自分や家族の戸籍に誤記がないか、一度つぶさに見てみるのも良いかもしれませんね。

相続債務は任意に分割できるか

相続財産にはプラスの財産だけではなくマイナスの財産、つまり負債も含まれます。ですから、(限定承認という複雑な手続きを踏まない限り)亡くなった親のプラスの財産を相続したいのならその借金も負わなければなりません。
 
では、相続人が複数いる場合、この相続債務はどのように分担するのでしょうか?
 
例えば、相続財産が5000万円で相続債務が1000万円だったとします。相続人は子ども3人です。プラスの財産の分割協議を行って:子どもA→2500万円、子どもB→2000万円、子どもC→500万円 というわけ方で決着したとします。法定相続分とは違うわけ方ですね。
 
それで公平の観点から、相続債務もその割合で按分して:子どもA→500万円、子どもB→400万円、子どもC→100万円 という風に分けたくなるところです。これは有効でしょうか?
 
相続人であるA,B,Cの間においては有効な取り決めとなります。しかし、この1000万円の債権者(お金を返して欲しい人)にとっては関係ありません。3人でどのような取り決めをしたかに関係なく、それぞれの法定相続分に応じた額をそれぞれに請求できるのです。1000万円を法定相続分でわけた金額(1000万円/3)をそれぞれに請求できることになります。

内縁の妻は相続人になれるか

どれだけ親密な関係であったとしても、籍を入れていない以上内縁の妻は相続人にはなれません。相続について、法律は法律にのっとった夫婦のみを保護しているのです。
 
ですから、亡くなった人に離婚経験があり、離れて暮らす子どもがいる場合、一緒に暮らしている内縁の妻ではなくその子どもが財産を相続します。離婚した前妻には相続分はありません。
 
このように考えてみると、愛し合っているけれど複雑な事情があって入籍できない内縁関係の男女には打つ手がないように思えるかもしれません。しかし、内縁の妻に財産を残す方法はあります。遺言にで「遺贈」するのです。
 
このとき、「内縁の妻○○○○に全財産を遺贈する」としても、それ自体は有効ですが、本来の相続人の「遺留分」(遺言でも奪うことのできない相続人の最低限の権利)を侵害することになります。相続人が子ども一人で、相続財産が1000万円の場合、500万円が「遺留分」となり、もしその子どもから「遺留分の500万円を渡せ」と言われたら返さざるを得ません。
 
とはいうものの、遺言で「遺贈」の意志を残しておかなければ財産を全く得られないのですから、やはり遺言の効力は大きいと言えます。

自筆証書遺言と公正証書遺言

遺言の種類(方式)はいくつかありますが、普通の人が遺言を残すことを考えるときに選ぶことになるのが2種類の方式、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。両方にメリット/デメリットがあります。
 
自筆証書遺言の最大のメリットは、自分ひとりで気軽に、無料で作成することができるということでしょう。自分の手で書くこと、日付を入れること、戸籍上の氏名を署名し押印することなどの要件を踏まえれば有効な遺言を作ることができます。デメリットは、誰のアドバイスも得ずに作る場合は、遺言自体が無効になってしまう失敗をするかもしれないことや、相続に関係する者の権利・義務を考慮に入れないで作ってしまうかもしれないことです。最大のデメリットは、相続開始後に家庭裁判所の検認手続きを経なければ相続手続きができないということです。2ヶ月ほどかかるのです。
 
これに対し、公正証書遺言のメリットは遺言自体の真正性や信憑性がほぼ完全になるということです。元裁判官・検察官・弁護士が公証人として法的に抜かりの無い書面を作ってくれます。ですから相続が開始したときには家庭裁判所の検認手続きは不要です。その遺言をもってすぐに相続手続きを始めることができるのです。デメリットは、作成に費用がかかるということ。公証人手数料は財産の価額によって変わります。それに加えて行政書士や弁護士などの専門家に手続きを依頼すればその報酬もかかります。作成に際して公証役場に提出しなければならない書類も多く、その収集にも手間がかかるのです。

遺産分割協議書作成の注意点

遺言が無い場合、または相続人・受遺者全員が遺言とは違う分割方法を望む場合、遺産分割協議を行います。その協議の内容を、後々紛争が起こらないように書面にしたものが 「遺産分割協議書」 です。
 
遺産分割協議書は分割協議に参加した人数分作成し、各自が一通ずつ保管します.。不動産の名義変更や相続税の申告でこの遺産分割協議書の提出が求められるので、紛争は絶対に起きないと思っていたとしても、やはり手続き上必要になったりします。
 
作成において決まった様式はありません。しかし、押さえておきたい点がいくつかあります。
 
・財産の内容を正確に記載し、財産を特定できるようにしておくこと。
・署名部分はパソコン等で印字するのではなく、なるべく自筆すること。
・必ず実印で押印し、その印鑑証明書を添付すること。
 
こういった重要な書類の作成について行政書士がサポート致しますので、気軽にご相談下さい。
 
 

代襲相続について

ある人が亡くなり相続が発生すると、遺言で指定がない限り法定相続人が財産を相続します。どのように分割するかは、法定相続分を考えながら話し合い、遺産分割協議書を作ります。
 
もし、被相続人(亡くなった人)が亡くなった時点でその子どもの一人がすでに亡くなっている場合で、その子の子(つまり被相続人の孫)がいる場合、その孫が代わりに相続する権利を持ちます。これを 「代襲相続」 といいます。
 
相続人が故人の孫やひ孫でのように下の世代(直系卑属)ならばこの代襲相続は無制限に認められます。すなわち、子が亡くなっている→孫、孫も亡くなっている→ひ孫、、、という具合です。
 
代襲相続が起こり得る別の場合は、被相続人の配偶者はすでに亡くなっており、子もおらず、両親も他界していて、相続人が兄弟姉妹になるケースです。この場合の兄弟姉妹もすでに亡くなっていて、その子(つまり被相続人にとっての甥・姪)がいるなら、この甥や姪が代襲相続します。
 
直系卑属(子、孫、ひ孫以下)の代襲相続との違いは、無制限ではないということ。この甥・姪も亡くなっているなら、その子どもへの代襲相続はありません。あまりにも遠い親族が相続人とならないようにするためです。

普通養子と特別養子について

相続税対策などで孫などを養子にすることがあります。養子とはどのような身分なのでしょうか。
 
養子になると、実の子と同じ法律上の権利義務を持つことになります。つまり、遺産を相続するときに実の子と同じ「法定相続分」を持つことになります。例えば、Aが亡くなり、相続人が妻とその実子Bと養子Cであるとします。相続財産が5000万円で、法定相続分に従って分けると、
 
・妻→2500万円 (1/2)・B→1250万円  (1/4)・C→1250万円  (1/4)
 
ということになります。先に述べた相続税対策になるというのは、「相続税の基礎控除」の額が、5000万円+1000万円×法定相続人の数(近々3000万円+600万円×法定相続人の数に変わります)ですから、相続人が増えれば相続税を払わなくて良くなる可能性がグンと高くなる、というわけです。
 
相続税対策の話はさておき、このように養子は実子と同じ権利義務を持つことにはなりますが、戸籍上の記載では、やはり実子とはっきり区別されています。その養子の父母の記載は、【父】○○○○【母】○○○○ (実親)と【養父】○○○○【養母】○○○○ となりますし、身分事項にも「養子縁組」と記載されます。