行政書士 室本法務事務所 - 国内/国際相続 遺言
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コロナ禍における国際相続手続
日本に財産がある場合の国際遺言
外国文書の認証
二重国籍者の証明書類について
遺贈の意図を明確にする

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【行政書士のお役立ちブログ】

コロナ禍における国際相続手続

新型コロナウィルスの影響で、外国で手配しなければならない相続関連書類の入手が困難という場合があります。
 
例えば、外国に住む相続人(日本人)が在留証明やサイン証明を在外公館(日本大使館・領事館)で入手しなければならない場合で、現地でロックダウンや移動規制が敷かれているために交付申請や受領に必要な窓口出頭ができない、ということがあります。
 
そんな場合でも、「コロナが収束するまで手続きはできない」と諦めず、国際相続の専門家にご相談下さい。役所や金融機関に受理してもらえる可能性のある代替案を提案できることが多々あります。都度、提出先に確認しながら進める必要はありますが、こちらから「こういう方法で、こういう書類を揃えることはできます」と具体的に提案することで、役所や金融機関の窓口担当者に上の部署等に諮っていただき易くなります。
 

弊所では、外国の機関との連絡・折衝も承ることができます。ご相談下さい。

日本に財産がある場合の国際遺言

日本に不動産や預貯金があり、推定相続人がみな海外在住という事情の方もいらっしゃいます。遺言が無い状態で相続が開始した場合、分割方法(取り分)については話し合いで合意できているとしても、実際に金融機関(預貯金)や法務局(不動産)の名義変更の手続きを進めるにあたってかなり手間取るかもしれません。海外在住の相続人に関する証明書類の確認・取得や銀行所定の用紙の書き方などの問い合わせなど、直接日本に来て行えないのであればやりとりに時間がかかること必至です。相続人が日本国籍でなければ特にそうです。

公正証書遺言を作ってその中で日本在住の「遺言執行者」を指定しておけば、海外在住の相続人が来日する必要も無く(あるいは葬儀等のために来日したとしても相続手続きのために長く滞在する必要も無く)金融機関や法務局での名義変更を任せ、進めることができます。この観点から、争いになることは無いとしても遺言を公正証書で遺しておくことが賢いと言えます。遺言執行者には弁護士、司法書士、行政書士などの専門家をお勧めします。公正証書遺言を作成する段階でこれら専門家がサポートしているならば、遺言執行者についてもお願いすると良いでしょう。(遺言の中で遺言執行者に支払う報酬の取り決めを明記することになります。)

外国文書の認証

外国に遺産がある場合の国際相続手続きにおいて、海外の遺産管理人から日本在住の相続人に、署名すべき書類が送られてくる。日本国内の相続とは違い、印鑑とその登録証明書による真正性の担保という方法は通用しない。ほぼ100%署名の認証が必要になる。

要は、その相続人本人が確かに署名したということについて他者がお墨付きを与える必要がある。そして、大抵の場合、誰もがこのお墨付き(認証)を与えることができるわけではなく、一定の資格を有する者が行わなければならない。(どのような資格を持つ者がこれを行い得るかは、提出する国や機関によって異なるため都度確認が必要。)そして、ほとんどの国において「公証人」による認証が認められているので、公証役場において公証人の面前で署名することにより、認証を付けてもらうことができる。

ただし、当然その署名すべき書面は外国語で作成されているため、公証人がその最低限の内容を確認できるようでなくてはならない。英語を読むことができる公証人は多いので、英語はそれほど問題にならないかもしれない。しかし、英語以外の外国語の場合は訳文を提示するか概要を口頭で説明できなければならないだろう。(当事務所では英語の場合も念のため大まかな訳文を提示するが。)

二重国籍者の証明書類について

国際相続のケースで時々、外国に帰化している元日本人の方や、外国に帰化しているのに日本国籍を喪失していない(喪失の届出をしていない)方の証明書類を取得しなければならないことがある。

前者は特に問題ない。帰化先の国が出す証明書を取得すれば良いのです。(もちろん、これはこれで骨の折れることが多々ある)

問題は後者だ。日本は二重国籍を認めていない(国籍法第11条)。しかし、諸外国には自国に帰化しても元々有していた国籍を喪失することを求めない国が多々ある。二重国籍を問題としないのだ。それで、(形式上は)日本国民であり、外国の国民でもある、という状況が生じ得る。というより、かなり多くの"日系人"が二重国籍を保有したままでいると思われる。

さて、この問題が相続をはじめ様々な手続きに必要な書類取得にどう関係するのか。

まず前提として断っておきたいのは、法律専門家としての倫理の観点から言えば、日本の法律の遵守を叫ぶべきだということだ。しかし実際の問題はそうシンプルではない。「国籍喪失届」を提出する必要があるわけだが、「届」である以上、本人の意思に基づいていなければならないし、本人にそのつもりがなければ、法務大臣や関係官憲は別として、他人がどうこう言って強いることはできない。

遺贈の意図を明確にする

具体的な財産を指定して、相続人または第三者に対して遺言により贈与することを、特定遺贈という。何が誰に遺贈されるか明確であるという点で、相続開始後の紛争を予防することに役立つが、注意しなければならないこともある。遺贈の対象になっている財産以外の相続財産との関係がどうなるか、という事についての意図を明確にする必要がある。

例えば財産の総額が1000万円で相続人AとBがいるとする。遺言に、「Aに現金300万円与える」とある場合、次の三つのうちいずれかの意図があると推測される。


1.「法定相続分(この場合500万円)のうちAに現金を300万円与える」(中立的遺贈)

2.「Aに遺産総額1000万円のうち、現金300万円のみ与える」(限定的遺贈)

3.「Aに遺産総額1000万円のうち、現金300万円を余分に与える」(先取的遺贈)


民法は、限定的遺贈や先取的遺贈の意思がはっきり遺言で示されているというような特段の事情の無い限り、1の中立的遺贈を予定しているが、遺言があるのは良いがその解釈で争いになる可能性がある。それぞれの解釈によって、以下のように取り分が変わってくるからだ。(その他の事情はここでは無いものとしている)

限定承認と財産分離

相続が開始したことを知ってから3か月以内に、相続人は以下を選択することになる。

・単純承認・・・プラスの財産もマイナスの財産もひっくるめて相続する。
・限定承認・・・プラスの財産からマイナスの財産を清算して、残りを相続する。
・相続放棄・・・プラスの財産もマイナスの財産も相続しない。

これらのうち、単純承認は何らかの手続きを要するわけではない。3か月の熟慮期間中に限定承認の手続きも相続放棄の手続きもなさない場合、または財産を処分したり隠匿・消費したりすると単純承認となる(民法921条)。921条の解釈については、改めて書きたい。

複雑なのは限定承認だ。遺産が全体としてプラスになるかマイナスになるか分からない相続人にとっては最も有利な選択肢と思えるが、手続きが煩雑であるというデメリットがある。手続きの大まかな流れを以下に記す。

1.まず財産目録を調整
2.家庭裁判所に限定承認の申述
3.相続債権者・受遺者への公告・催告
4.(二か月以上後)不動産等の換価(競売)
5.民法929条-931条に基づく弁済
6.4の期間中に申し出なかった相続債権者・受遺者への弁済
7.相続人固有の財産との融合

限定承認の手続きは、相続人がイニチアシブをとって行うものだが、ほぼ同じことを相続債権者主導で行うことができる。それが「財産分離」の制度だ。相続財産がそれなりにあるが、相続人が債務超過に陥っている場合、相続財産から弁済を受けなければならない債権者・受遺者の利益が害される恐れがあるからだ。

「特別縁故者制度」と「共有の弾力性」について

民法958条の3には「特別縁故者に対する相続財産の分与」という規定があって、こうある。
 
 
「①前条の場合(相続人不存在の場合)において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相
 
続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の
 
縁故があった者の請求によって、これらの者に清算後残存すべき相続財産の全部又は一部
 
を与えることができる。」
 
 
要するに、相続人がいない事が確定した場合、内縁の妻とか事実上の養子とか世話になった
 
老人ホームなどが請求すれば、家庭裁判所が判断して、それらの者に財産を与えることができ
 
るという規定だ。ちなみに、遺言もなく、上記のような者もいなければ、財産は国庫へ帰属する。
 
 
この規定と、民法255条の「持分の放棄及び共有者の死亡」という規定が衝突するという議論が
 
なされてきた。255条はこうだ。
 
 
「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分
 
は、他の共有者に帰属する。」

登記簿上の記載間違い

先日、ある会社の登記簿の写しをとったのですが、事業目的欄に「看板等の施行」とありました。一瞬違和感を感じましたが、「登記されているんだから、この漢字でいいんだろう」と勝手に納得していました。
 
後日、打ち合わせの時にその登記簿の記載について、「これって誤字じゃない?」という指摘がありました。「いや、僕もそう思ったんですよねー。」(自分のクライアントではない第三者法人だったので特に思慮していなかったのです。)
 
やはり、
 
 
「施行」=政策・計画などを実際に行うこと。法令の効力を発生させること。
 
「施工」=建築物や工作物を作り上げること。
 
 
なので、後者の「施工」が正しいのです。
 
人間が管理するものですから、登記簿や戸籍にも誤りはあるということです。実務家としては、役所の発効する書類であっても間違いがないか気をつけるべきと感じたのでした。
 

相続について相談すべき専門家とは

弊所にお問い合わせいただく事例のほとんどに、不動産の相続登記が関係しています。
 
もちろん、登記の相談・代理を行えるのは司法書士だけなので、弊所で代行することはできません。その場合は提携している司法書士に速やかに取り次ぎます。
 
しかし、遺産が不動産だけではないということの方が多いものです。銀行預金、郵便貯金、自動車など、その他名義変更が必要になるものもあります。
 
その場合、単に不動産について記した遺産分割協議書を作成するよりも、故人の財産全体を把握した遺産分割協議書を作成することをお勧めします。後に、誰が何の財産を取得したのかが一つの書面で判明する方が簡便ですし、一つの協議書で様々な手続きが行えます。
 
ただ、依頼者の都合等で実務上は複数の手続きを同時進行で行いたいこともあるので、財産の種類ごと(提出先ごと)の協議書を作って対応することにもメリットはあります。
 
いずれにしても、相続手続きを総括的に見てアドバイスできる専門家として、行政書士にご相談されることをお勧めします。必要な手続きをはっきりさせ、各手続きに必要な専門家を手配致します。

種々の戸籍の特徴

相続手続きに必ず必要になるのが被相続人(亡くなった人)の出生から死亡までの戸籍類です。
 
戸籍は時代の変遷によって形式や管理の仕方が変わってきました。以下が現在手に入る戸籍の種類です。
 
 
明治19年式
 
それまでの壬申戸籍で「屋敷番」として記されていた本籍が、「地番」でしるされるようになり、転
籍や除籍の制度が初めて導入されました。
 
明治31年式
 
明治31 年の民法改正で「家制度」が導入されるようになり、狭い範囲の家族が一つの「家」とし
て「戸主」によって統率されるようになりました。現在とは違い、同じ戸籍に戸主(現在の「筆頭
者」)の祖父母や甥・姪などもふくまれていました。
 
大正4年式
 
それまでは、個人ごとの情報を詳細に記した「身分登記簿」が戸籍と共に管理されていました
、煩雑な管理方法だったためこれが廃止され、戸籍の各人の欄に詳細情報が記されるよう
になりました。この大正4年の戸籍法の改正で、戸籍の管理事務は戸籍役場から市町村役場
へ移されました。
 
昭和23年式
 
昭和22年の民法改正で、それまで100年以上続いた「家制度」は廃止され、戸籍の記載範囲は